2年ほど前に、鳥取県で会社が所属している財界団体の集まりがあり出席した際、一泊二日の行程で、なおかつ二日目が午前だけで解散であったため、大阪へ帰る電車を夕方発で予約して、鳥取見物をする時間を取りました。荷物を鳥取駅のコインロッカーに預けてから、徒歩で鳥取城跡へ向かうことにしました。
元々山城だったのが、平山城になったそうです。ですので、山の裾野に立派な石垣が巡らされているだけでなく、山の頂にも本丸があります。この山を徒歩で登らないと本丸には辿り着けないのかと、少々ナーバスになりながら門をくぐって城の敷地内に入っていきました。と言うのも、仕事の会合へ出席していたため、服装はスーツ、靴も仕事用のドレスシューズだったため、土汚れがつきそうで若干躊躇い気味になりました。
ただ、ここまで来ると30分程度の登山らしいので登るしかないなと上に向かって歩き出しました。日本海側の山林で気になるのは、やっぱり熊の出没です。案の定、熊目撃多発との看板が掛かっており、どうしようかなと不安になりました。歩いている前後には人はおらず、山に一人取り残されているような気分です。心の準備は出来ていますが、いざ、本当に熊に遭遇したらどうなるのか、想像も及びません。逃げるしかないと思いますが、果たして逃げ切れるのか。そんなことを考えながら、とりあえず、山頂までサッサと行こうと、歩みを止めずに進みました。
熊には会いませんでしたが、汗だくになりながら山頂に到着。眼下に広がる景色を見ながら一休みしました。鳥取市内だけでなく、鳥取砂丘、山々の素晴らしい景色も見えます。山頂には別のルートから登ってきたのか、何名か先客がいました。そこに残る石垣を登って360度の景色を記憶に留めました。
しばらくして下山しましたが、鳥取城といえば、やはり天球丸の巻石垣が有名です。こちらも見ないといけないと思い、復元された石垣の方にいきました。これは、石垣を補強するために築かれた国内唯一の球面石垣です。現在のものは復元と聞いています。ここには何名か写真を撮りに来ている人たちがいました。それでも、お城見学している人は数えるほどで、まだまだ観光開発の余地があると感じました。(終)森田達也
御城印